ダークツーリズムとは?初心者向け完全解説

ダークツーリズム基礎知識

最近テレビやSNSでよく見かける「ダークツーリズム」という言葉、気になっている方も多いのではないでしょうか。なんだか重そうな響きですが、実際のところどんな旅行なのでしょう。

今回は、ダークツーリズムについて全然知らない方でも分かるように、基本的なことから実際に始める方法まで、分かりやすく解説していきます。

ダークツーリズムとは

**ダークツーリズム(Dark Tourism)**とは、簡単に言うと「悲しい出来事があった場所を訪れる旅行」のことです。戦争があった場所、大きな災害が起きた場所、事故が起こった場所などを実際に見に行くのです。

「ダーク」と聞くと怖いイメージがあるかもしれませんが、決して怖いもの見たさで行くわけではありません。歴史を学んだり、亡くなった方を悼んだり、同じことを繰り返さないように考えたりするのが目的です。

この言葉、実は1996年にイギリスの研究者が作った学術用語です。意外と新しい言葉ですね。

どんな場所があるのか

ダークツーリズムの場所は、実はいろんな種類があります。少し整理してみましょう。

戦争に関する場所

  • 昔の戦場跡や要塞
  • 強制収容所があった場所
  • 原爆が落とされた広島・長崎
  • 平和を祈る記念館

災害が起きた場所

  • 大地震の被災地
  • 津波の跡地
  • 原子力発電所の事故現場
  • 火山の噴火跡

事件や事故の現場

  • 飛行機事故があった場所
  • 船の事故現場
  • テロ事件の慰霊施設

その他

  • 昔の処刑場
  • 監獄の跡地
  • 病気が流行った場所

このように、本当にいろんな場所があります。

世界で有名なダークツーリズムスポット

世界で特に有名な場所をいくつか紹介していきます。

ヨーロッパの有名スポット

アウシュヴィッツ=ビルケナウ強制収容所(ポーランド) ナチス・ドイツが作った強制収容所の跡地です。現在は世界遺産にもなっていて、毎年たくさんの人が訪れています。実際に見ると、その規模の大きさに圧倒されます。

チェルノブイリ原子力発電所(ウクライナ) 1986年に史上最悪の原発事故が起きた場所です。現在はツアーで見学できるようになっています。

アメリカの代表的な場所

9/11メモリアル&ミュージアム(ニューヨーク) 2001年の同時多発テロが起きたワールドトレードセンターの跡地に作られた慰霊施設です。ニューヨークを訪れる多くの人が立ち寄る場所になっています。

真珠湾(ハワイ) 太平洋戦争のきっかけとなった真珠湾攻撃の現場です。ハワイ旅行で立ち寄る人も多いでしょう。

日本にもたくさんあります

実は、日本国内にもダークツーリズムのスポットはたくさんあります。意外と身近なところにもあるかもしれません。

戦争の跡地

広島平和記念資料館・原爆ドーム 世界初の原爆投下地です。修学旅行で行ったことがある人も多いのではないでしょうか。大人になって改めて行くと、また違った感じ方ができます。

長崎原爆資料館・平和公園 こちらも原爆が落とされた場所です。広島とはまた違った展示や体験ができます。

沖縄の戦跡・ひめゆりの塔 太平洋戦争末期の沖縄戦の激戦地です。美しい沖縄の風景と戦争の悲惨さのコントラストが印象的です。

震災の記録を残す場所

東日本大震災津波伝承館(岩手県) 震災遺構 仙台市立荒浜小学校(宮城県) 福島第一原子力発電所周辺(福島県)

2011年の東日本大震災の記録を残している施設です。実際に被害を受けた建物がそのまま保存されていたりして、当時の状況がリアルに分かります。

なぜダークツーリズムをするのか

「わざわざ悲しい場所に行く必要があるのか」と思う人もいるかもしれません。しかし、実はとても大切な意味があります。

本当の歴史を知ることができる

教科書や映像で見るのと、実際にその場に立つのとでは全然違います。現場の空気感や重みを肌で感じることができるのです。

亡くなった方への追悼

その場所で亡くなった方々に対して、手を合わせたり、お花を供えたりすることで、追悼の気持ちを表すことができます。

平和の大切さを実感

戦争や災害の恐ろしさを知ることで、平和がどれだけ貴重なものかを改めて感じることができます。「二度と繰り返してはいけない」と強く思えるようになります。

地域の応援にもなる

被災地や戦跡を訪れることで、地域の経済を少しでも支援することにもつながります。復興の手助けになるのです。

始める前に知っておきたいこと

ダークツーリズムを始めてみたいと思った方のために、大切なポイントを説明していきます。

気持ちの準備をする

普通の観光旅行とは違って、重い気持ちになることもあります。遊び気分ではなく、しっかりとした心構えで臨みましょう。

事前に勉強しておく

行く前に、その場所で何があったのかを調べておくと、現地での体験がより深いものになります。本を読んだりネットで調べたりして、予習をしておきましょう。

服装や態度に気をつける

神聖な場所なので、きちんとした服装で行きましょう。あまりにもカジュアルすぎるのは適切ではありません。また、大きな声で話したり騒いだりするのも控えましょう。

写真撮影は要注意

写真を撮っていい場所と悪い場所があります。必ずルールを確認してから撮影してください。SNS投稿する時も、配慮を忘れずに。

体調管理も大切

精神的にきつくなることもあるので、自分の体調や気分と相談しながら回りましょう。無理は禁物です。

気をつけたいポイント

ダークツーリズムが人気になる一方で、いくつか注意すべきこともあります。

商業化が進みすぎている場所もある

中には、悲劇を「売り物」にしすぎている場所もあります。本来の意味を忘れて、商業的な側面が強くなってしまっているのです。そのような場所は避けた方がよいでしょう。

地元の人の気持ちを考える

その場所に住んでいる人たちにとっては、まだ心の傷が癒えていないこともあります。観光客として訪れる時は、地元の方の気持ちを大切にしましょう。

正しい情報かどうかチェックする

残念ながら、間違った情報や偏った見方で作られた施設もあります。いろんな情報源を見比べて、客観的に判断することが大切です。

まとめ

ダークツーリズムは、最初は「重そう」と思うかもしれませんが、実はとても意味のある旅行です。歴史を学んで、亡くなった方を思い、平和について考える。そんな大切な体験ができるのです。

これからダークツーリズムを始めてみたい方は、まずは近くの場所から行ってみてはいかがでしょうか。日本にもたくさんの場所があります。

一番大切なのは、敬意を持って訪問することです。そして、そこで感じたことや学んだことを、これからの人生に活かしていけたらよいですね。


ダークツーリズムに興味を持った方へ

この記事を読んで「行ってみたい」と思った方は、ぜひ一歩踏み出してみてください。最初は近場の平和記念館や震災遺構から始めるのがおすすめです。

もしこの記事が参考になったら、お友達にもシェアしてもらえると嬉しく思います。一人でも多くの人にダークツーリズムの意味を知ってもらって、みんなで平和について考えられたらよいですね。

あなたの一歩が、歴史を学び、平和を築く第一歩になります。

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